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めかぶとは? 名前の由来、歴史、産地、おいしい食べ方

皆さん、“めかぶ”が何だか知っていますか?実は、めかぶは、イラストにある通り、わかめの根元部分であり、太く硬い茎とひだ状の葉が塊となった部分なのです。一般的に食用されて上部の葉っぱの部分とは違って、 めかぶには厚いひだがたくさんあります。この記事では、“めかぶ”の名前の由来や、その歴史、おいしいめかぶが取れる産地、おいしいめかぶの食べ方についてお話しします。

“めかぶ”とは?

“めかぶ”はわかめの一部

めかぶは、わかめの一部なのです。わかめの根元の部分にある葉や茎が固くなっている部分がめかぶで、上部のひらひらとした葉の部分がわかめです。 しかし、形状や食品としての味わいは、わかめの上部にある葉の部分と、根元にあるめかぶとでは異なっているため、食品としては区別されています。

この部分は、茶褐色の厚いひだが折り重なっています。この部分は、わかめの生殖細部の集まりであり、 さまざまな栄養素が詰まっているんです。みなさんが日頃目にするめかぶとは印象が違っていて、興味深いですよね。

わかめとめかぶ

生のめかぶは茶褐色

生のめかぶは、写真のように茶褐色ですが、90℃以上で5秒ほどボイルすると、褐色の色素が壊れて、びっくりするくらい鮮やかな緑色に変わります。これがまたきれいで、見ていて楽しめます。

多くの日本家庭でお味噌汁や酢の物などに使われ、海藻特有のミネラルやビタミン、食物繊維を豊富に含んでいるため、美容と健康に気を使う人々にとっても欠かせない食材です。

ボイル前のめかぶ

“めかぶ”の名前の由来

めかぶは、地域によっては「ネカブ」、「ミミ」、「カブ」、そして「メヒビ」といった愛称でも呼ばれています。「めかぶ」の漢字表記は「和布蕪」または「芽かぶ」とされています。この命名は、わかめを指す漢字「和布」から派生しています。 つまり、めかぶの名前の由来については、 "布"(め)はワカメを指し、“蕪(かぶ)”は、頭を意味する「かぶり」が語源です。 野菜のカブは、根の部分が頭の様な形に見える事から“蕪(かぶ)”と呼ばれるようになりましたが、 わかめの根元のめかぶのイメージを、カブの根元のイメージに重ねて、この名前が付けられたと考えられています。

また、「芽かぶ」が記述されることがありますが、これは、わかめの「芽」を連想させるためだと考えられます。 さらに、「根株」が言葉の起源であるという説もあります。

これらの由来や語源を知ることは、めかぶの理解を深める上で興味深く、記憶にも残りやすいですね。

ボイル前のめかぶ

食材としての“めかぶ”の歴史

“めかぶ”は古くから日本人に愛されてきた

わかめやめかぶは、日本の食文化に古くから根付いている食材です。8世紀初頭の大宝律令では、わかめは「ニギメ」、めかぶは「マナカシ」として、調(都への貢物)として記載されており、わかめと同様に食用にされていたことが分かります。

江戸時代には、「干しわかめ」と「生わかめ」が食用されており、特に、生わかめは本膳料理や吸物、ひたし物などで使用される高級食材として珍重されていました。 しかし、食用とされるのは、わかめの葉の部分だけで、茎の下にあるめかぶは調理に手間がかかることもあり、長い間浜の人間だけで食べられてきました

しかし約40年ほど前、弊社の創業者である小野寺繁雄はこのめかぶを商品化してはどうかと考えました。「めかぶのおいしさを多くの方に楽しんでいただきたい」。この思いが、独自の製法を生み、ご家庭でも簡単で食べやすい商品として結実しました。

献上品

わかめ・めかぶの養殖化への道のり

わかめは冷たい海域に生息する海藻で、岩などに付着して成長します。冬から春にかけての成長期には、 特に旺盛に成長し、わかめの森を形成します。とりわけ、めかぶはわかめの中でも栄養価が高い部分として、 収穫後にすぐに加工されるか、新鮮な状態のうちに冷凍で保存されることが多いです。

昭和の時代に、大槻洋四郎氏の研究と努力により、日本でわかめ養殖が可能になりました。大学でわかめとコンブの乾燥保存法を研究した後、大槻氏は、1955年に日本でのわかめ養殖方法を確立しました。

大槻氏は、特許を取得したものの、漁民の豊かさを願って特許を手放しました。これにより、日本各地でわかめ養殖が盛んになり、湯通ししないワカメなどの新商品が誕生しました。 現在、国産わかめの大部分が養殖物となり、日本の食文化に欠かせない食材として定着しています。

わかめ養殖

おいしいめかぶが取れる産地

めかぶの代表的な産地は三陸海岸一帯

日本はわかめの主要な産地として知られており、特に三陸沿岸、瀬戸内海、九州地方が有名です。 農林水産省の統計(農林水産省「海面漁業生産統計調査 2021」)によれば、 宮城県、岩手県、徳島県が国内の生産の上位3位であり、全国の生産量のうち、大部分を占めています。 宮城県だけでも43.3%を占めています

これらの地域のわかめが高品質である理由は、水質と海の環境にあります。清潔で栄養豊かな海水は、わかめ、そしてめかぶの成長に最適な条件を提供しています。

特に、気仙沼を中心に三陸海岸一帯で獲れるめかぶは「三陸めかぶ」 としてブランドイメージを築いており、他の地域のめかぶとは差別化されています。ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富なめかぶが生まれ、特有の食感と栄養価の高さから、国内外で高く評価されています。

ワカメの養殖生産量の都道府県ランキング[1]

ワカメの養殖生産量の都道府県ランキング

めかぶの簡単でおいしい食べ方

めかぶには、美容と健康を支える食物繊維、ミネラル、ビタミンが豊富に含まれます。新鮮なめかぶは、そのまま食べても美味しいですが、納豆、オクラ、キムチやしらすと一緒に食べるとさらに栄養のバランスが取れるのでお勧めです。ここでは、誰でも簡単にできるおいしいめかぶの食べ方をご紹介します。

めかぶと納豆と組み合わせる

めかぶと納豆のネバネバの組み合わせが食事にアクセントを加えます。 また、納豆はたんぱく質、食物繊維、ビタミンKなど、多くの栄養素を含んでいます。 一方、めかぶは食物繊維、ミネラルが豊富です。納豆とめかぶを組み合わせることで、これらの栄養素を一緒に摂取することができます。 さらにキムチや山芋などをトッピングしても美味です。

納豆めかぶ

めかぶとしらすと組み合わせる

めかぶに含まれるビタミンKは、骨へのカルシウムの取り込みを助ける作用があるので、カルシウムが含まれるしらすと組合せて食べるのがお薦めです。

めかぶしらす丼

めかぶとキムチと一緒に

めかぶに含まれるフコイダンは水溶性食物繊維であり、便秘予防や整腸作用が期待できます。キムチに含まれる乳酸菌は腸内環境を改善しますので、組み合わせることで一層の効果が期待できます。

キムチ一緒に

わかめの根元部分であるめかぶは、古来より日本の食文化に深く根ざす食材です。名前の由来や食材としての歴史、三陸沿岸や瀬戸内海などの代表的な産地を詳しく紹介しました。 めかぶに含まれる栄養素については、別の記事で紹介していますので、ぜひ、ご覧になってください。

めかぶに含まれる驚きの栄養素の記事はコチラ

めかぶ関連情報

健康のために毎日めかぶを食べる人へ 健康のために毎日めかぶを食べる人へ

腸内環境のバランスを整えるめかぶの食物繊維 食生活のバランスを整える食物繊維

食物繊維を多く含む「めかぶ時短おかず」レシピ 食物繊維を多く含むオススメの「時短おかず」レシピ

[出典]

[1]出典: 農林水産省「海面漁業生産統計調査」(2021)

有限会社 丸繁商店
本社工場 : 宮城県気仙沼市赤岩港160番地2
前浜工場 : 宮城県気仙沼市松崎前浜74番地
TEL: 0226-23-4941 FAX: 0226-23-0412