めかぶに含まれる驚きの健康栄養素の働き
めかぶは、アルギン酸やフコイダンを豊富に含み、健康維持に不可欠なミネラルやビタミンが詰まっています。この記事では、めかぶに含まれる驚きの栄養素とその働きの秘密に迫ります。
目次
めかぶとは?
めかぶはワカメの根本部分であることをご存知でしょうか?皆さんが普段食べているワカメは、ワカメの葉の部分であり、ひらひらと薄い形をしていますが、めかぶはイラストのとおり、太く硬い茎と厚みのあるひだ状の葉で構成されています。
つまり、めかぶは、実は、ワカメが子孫を増やすための生殖細胞の集まりなのです。食用として販売されてめかぶは、この部分を細かく切ったものです。
めかぶは、繁殖のために重要な部位であるため、ワカメの葉の部分よりも、さらに、多くの栄養成分が多く含まれています。めかぶに含まれる栄養素
文部科学省の「食品成分データベース」[1]によると、生めかぶ100g中に含まれる主要な栄養素は多岐にわたります。これらの栄養素は、便通を改善するだけでなく、脂質、糖分、ナトリウムを吸着し体外へ排出する効果があります。
このため、脂質や糖分などを過剰に摂取することによって引き起こされる肥満や高脂血症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の予防や改善に対しても効果・効能が期待されます。
具体的に、めかぶには水溶性の食物繊維、ビタミン類、ミネラルが豊富に含まれており、これらの栄養素は、人の健康を支える様々な作用を持っています。
生めかぶ100gあたりの栄養素[3] ※その他、たんぱく質0.9(g)、脂質0.6(g)、炭水化物3.4(g)が含まれます 栄養素 含有量 カロリー 14(kcal) 食物繊維 3.4(g) 葉酸 36(㎍) β-カロテン 240(㎍) ビタミンK 40(㎍) ヨウ素 390(㎍) カリウム 88(mg) マグネシウム 61(mg)
めかぶに含まれる栄養素の働きと効能
生活習慣病の予防が期待できる!アルギン酸
アルギン酸は海藻などに含まれる天然の食物繊維です。脂質や糖やナトリウムを吸着して体外に排出する効果があると言われ、生活習慣病の予防や改善にも効果・効能が期待できます。[2]
めかぶのヌルヌルに多く含まれる食物繊維!フコイダン
フコイダンは水溶性食物繊維です。食物繊維は日本人に不足がちな栄養成分と言われ、便秘予防や整腸作用が期待できます。[2]
めかぶ豆知識 ─ めかぶを毎日食べるとどんな効果があるの?
めかぶを毎日食べると、豊富な食物繊維により腸内環境が改善される可能性があります。水溶性食物繊維が含まれているため、便通を整えるのに役立つ可能性があります。
また、血中コレステロール濃度を下げる作用や、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待されています。さらに、ミネラルやビタミンも含まれているので、栄養バランスの向上にも役立ちます。
貧血予防に効果がある!葉酸
葉酸は細胞や血液の形成に関わる、すべての世代の人に必要な栄養素です。中でも妊娠中の女性や妊娠計画中の女性には神経管閉鎖障害のリスクを低減するために、葉酸摂取が推奨されています。[2]
健康な肌を維持する!β-カロテン
β-カロテンは、にんじんから見つかったビタミンであり、のりやワカメなど海藻類にも含まれます。肌や粘膜の強化や目の機能の改善、活性酸素を除去する抗酸化機能などの効果が知られています。[2]
身体の代謝を保つ!ヨウ素
ヨウ素は、体内で甲状腺ホルモンを合成します。このホルモンは身体の代謝をはじめとするさまざまな重要な機能を調節しています。また、甲状腺ホルモンは、妊娠・授乳期に胎児や乳児の骨や脳が正常に発育するためにも必要です。十分な量のヨウ素を摂取することは誰にとっても大切ですが、乳児や妊娠中の女性では特に重要です。
めかぶ豆知識 ─ めかぶは1日何パックまで?
毎日のめかぶ摂取について心配されている方も多いでしょう。過剰摂取は甲状腺機能低下を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。特に甲状腺の病気を持っている方は、ヨウ素の安全な上限値について必ず医師に相談することをお勧めします。
ここで、厚生労働省の調査結果を基に、ヨウ素の摂取について説明します。厚生労働省eJIMによると、成人男女のヨウ素の安全な上限値は1,100㎍/日です。また、文部科学省の「食品成分データベース」[1]によると、生めかぶ100g中に含まれるヨウ素は、390(㎍)ですので、1パックあたり40gの製品であれば、1日、2-3パック食べても上限値に達することはありません。
ただし、実際の摂取上限値は、甲状腺の健康状態によっては異なるため、医師の指導に従ってください。
年齢 | 安全な上限値 |
---|---|
生後12カ月 | 設定数値なし |
小児1-3歳 | 200 ㎍ |
小児4-8歳 | 300 ㎍ |
小児9-13歳 | 600 ㎍ |
10歳代14-18 | 900 ㎍ |
成人 | 1,100 ㎍ |
骨へのカルシウムの取り込みを助ける!ビタミンK
ビタミンKは血液凝固に関わるビタミンで、「止血ビタミン」の別名もあります。また、骨へのカルシウムの取り込みを助ける作用があり、骨粗しょう症の治療薬にも使われています。[2]
カルシウムとともに骨を形成する!マグネシウム
マグネシウムはリンやカルシウムとともに骨を形成してくれる、人体に必要なミネラルの一種です。筋肉の収縮や体温・血圧の調整にも役立っています。[2]
めかぶ豆知識 ─ もずくとめかぶどっちが体にいい?
もずくとめかぶはどちらも海藻類で栄養価が高く、それぞれに特徴があります。両方とも水溶性食物繊維が豊富で、腸内環境の改善に役立ちます。どちらが体に良いかを一概に言うことは難しく、個人の好みや食生活に合わせて選択するのがよいでしょう。バランスよく両方を取り入れるのもおすすめです。
めかぶを効果的に食べるタイミングは?
食物繊維、ビタミンやミネラルを多く含むことは分かりましたが、同じめかぶでも食べ方によって、その効果・効能に差があるのでしょうか?この点については、最近の調査[4]で、食事の一番初めに食べるのが効果的であることが分かっています。
めかぶのネバネバ成分に含まれるアルギン酸やフコイダンは、脂質や糖やナトリウムを吸着して体外に排出する効果があると言われています。 そのため、初めにめかぶを食べて、めかぶに含まれるアルギン酸などのネバネバ成分によって糖質を包むことで、このあとに食べたご飯やおかずに含まれている糖質や脂質の吸収がゆるやかになります。 これによって、肥満につながる血糖値や中性脂肪の急激な上昇を抑える効果が期待できると言われています。
ぜひ、めかぶから食べ始めることを実践して頂きたいと思います。
糖質や脂質の吸収を和らげる「ネバネバ食材」レシピ
糖質を包み込む効果・効能を上げるために、とろみ成分のある食材である納豆やオクラをめかぶと一緒に摂る「ネバネバ食材」レシピをオススメします。
めかぶネバネバ和え
■材料(1人分)
- 10秒deおいしいめかぶ1パック
- 添付のたれ 1袋
- 納豆 1パック
- オクラ 2~3本
■作り方
- 「10秒deおいしいめかぶ」を冷凍庫から取り出し解凍し、添付のタレを加えてよく混ぜる。
- オクラは熱湯でさっと湯がき、水に取って冷まして水気を切り、小口切りにする。
- 納豆にタレを加えてよく混ぜる。
- 器にめかぶ、納豆、オクラを盛って、混ぜ合わせながら食べる
たまごの黄身を加えるとさらに粘り気が増します。
めかぶ豆知識 ─ めかぶと納豆を一緒に食べるとどんな効果があるの?
納豆はたんぱく質、食物繊維、ビタミンKなど、多くの栄養素を含んでいます。一方、めかぶは食物繊維、ミネラルが豊富です。納豆とめかぶを組み合わせることで、これらの栄養素を一緒に摂取することができます。
納豆と一緒に食べることで、腸内環境改善や栄養バランス向上などの相乗効果が期待できます。
骨へのカルシウムの取り込みを助ける「時短おかず」レシピ
めかぶに含まれるビタミンK、マグネシウムは、骨へのカルシウムの取り込みを助ける作用があるので、カルシウムと一緒に摂取すると効果的です。そこで、カルシウムが豊富なしらすと組み合わせた「時短おかず」レシピをオススメします。
めかぶシラス
■材料(1人分)
- 10秒deおいしいめかぶ1パック
- 添付のたれ 1袋
- しらす 大さじ1
■作り方
- 冷凍庫から10秒deおいしいめかぶを取り出し、水で解凍する。
- めかぶに専用タレを加えて混ぜる。
- ご飯の上に、めかぶをのせ、しらすを散らす。
お好みでたまごの黄身、きざみのりを加えても美味しいです。
[出典]
[4]監修/多賀昌樹(医学博士・管理栄養士)「食事の前にめかぶを食べるだけでできること|血糖値上昇抑制、肥満予防、糖尿病予防にも効果・効能あり」、サライ.jp